「選択科目Ⅱ-2」の答案の書き方について、考えてみたい。
仮想事例の業務を提示されることもあるので、どう書けばいいのか? ということで、どんな準備をしておく必要があるのかが、今回のテーマである。
1.設問形式を確認する。
下表のように、各部門の統一定型の設問文が採用されている。
2.「受験申込み案内」記載の出題内容
出典:『令和2年度技術士第二次試験 受験申込み案内』のP.8「令和2年度技術士第二次試験の内容について」 から、抜粋引用。
3.文科省の試験部会で、「参考7 試験科目別確認項目.pdf」という資料を確認する。
この資料から、「選択科目Ⅱ-2」を抜粋引用すると、次の通りである。
出典:文科省 試験部会で、「参考7 試験科目別確認項目.pdf」は、抜粋引用。
4. 対策
(1)基本的な考え方
評価する資質(コンピテンシー)を意識して、答案を書くこと。
・設問(1):選択科目の【専門的学識-基本知識理解】
専門的学識-基本理解レベル
・設問(2):マネジメント-業務遂行手順
・設問(3):リーダーシップ-関係者調整
(2)各設問の答案の仕方
・設問(1):選択科目の【専門的学識-基本知識理解】
専門的学識-基本理解レベル
の内容で、設問にする答えを淡々と記載すれば、OK。
学習対策については、調査、検討すべき事項と内容については、各「選択科目」で想定される一般的な内容を整理しておくことをおすすめします(特に、複数部門や科目を受験している人の場合)。
・設問(2):マネジメント-業務遂行手順
が書いてあれば、採点者は評価するハズである。
要するに、マネジメント(人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること)を中心に書かないと評価点は低いハズである。
設問文にある「留意すべき点」と「工夫を要する点」を丁寧に書いても、マネジメント要素が記載されているか、無いか、で評価点が別れるハズである。
ただし、業務を進める手順について、これらを含めて述べるのは、設問の指示事項なので、書く必要がある。
その例を挙げると、下記のような具体的な内容を書いておけば、どんな設問がきても使いまわしがきくハズである。
【留意すべき点】(例)
・基準を明確にする点
・規格の統一化、国際化標準化の観点
・各工程毎に留意点を説明する
・進捗管理や設計変更点管理などの情報共有
・仕様書に明記されていない事項をどう取り扱うか
・信頼性、強度、要求仕様の明確化
・標準基準仕様書からの変更する内容とその対処方法
・過去の不具合事例ナレッジマネジメント
【工夫を要する点】(例)
・製作仕様書ドキュメント作成
・図面指示の明確化
・デザインレビュー実施による部門間調整
しかし、これだけ書いても、技術士に求められる資質(コンピテンシー)では足りない。
つまり、設問には無いマネジメント(人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること)について、付け加えて書くことである。
具体的には、【留意すべき点】(例)や【工夫を要する点】(例)を挙げておいて、限られた資源配分により、この事項を優先に対応したとか、この事項はレベル上げて対応したとか、こちらは品質にあまり影響しないので、レベルを下げた対応をしたとか、書いておくといいと思います。
総合技術監理部門的な考え方になりますが、限られたリソースなので、全てを100点満点は取れないので、管理する項目自体のレベル差を作って、トータルで見た場合、満足度100点であれば、OKという感覚です(細かい点は、気にしない)。
・設問(3):リーダーシップ-関係者調整
が書いてあれば、採点者は評価するハズである。
設問自体「業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方法について述べよ。」で、技術士に求められる資質(コンピテンシー)について、問われているので、淡々と答えればよい。
その例を挙げると、下記のような具体的な内容を書いておけば、どんな設問がきても使いまわしがきくハズである。
(例)
・(ステークホルダー)近隣住民対策、利害関係者との調整方法
・プロジェクト管理方法の明確化
・関係部署間で同じ工程表を共有する。
・定例工程会議で、進捗と問題点の共有を図り解決策の検討を実施する。
・打ち合わせ方法、協議簿の取り交わして、言った言わないをさける。
・複数の関連工事がある場合の調整方法
・複数の違う工種が関連して、1つのプロジェクトが完成する場合
(作成:2020年5月2日)