【新試験制度】令和元年度 技術士第二次試験 【必須科目Ⅰ】の設問形式は、各技術部門(総合技術監理部門は除く)に共通な設問形式がテンプレートとして採用されています。
1.共通な設問形式テンプレート
【必須科目Ⅰ】
~設問の背景の説明文~ の記載があります。
設問(1)技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
設問(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
設問(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
設問(4)業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
2.どう対応するか?
試験科目別確認項目として、評価する資質(コンピテンシー)が公表されていますので、それに沿った答案への対応が必要と考えます。
具体的には、以下の通りです。
まず、初めに、「~設問の背景の説明文~」から、受験技術部門の技術者として、
・設問(1):多面的な観点から課題を抽出し分析する。
ここで評価される資質(コンピテンシー)は、【専門的学識-基本知識理解】です。
この段階では、課題を3~4つ挙げて、その理由を記載する必要があります。
課題を3~4つ挙げることは、受験技術部門での(専門的学識-基本知識理解)広さを示すポイントになります(専門バカで対応領域が狭いと印象がないようにしたい)。
記載順序としては、設問(2)につながるように、一番最初に「最も重要と考える課題」を記載する必要があります。
次に、
・設問(2):最も重要と考える課題を1つ挙げ、複数の課題解決策を示す。
ここで評価される資質(コンピテンシー)は、【問題解決-課題抽出、方策提起】です。
設問(1)で挙げた課題から、(複数ということに注意で、色々な選択肢を示せているかがポイント)3~4つの課題解決策を書く。
ここで、何故、最も重要と考える課題を選定した理由を書く必要があります。
また、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を考慮して、解決策を合理的に提案する必要があります。
次に、
・設問(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクを挙げ、さらにその対策を書く。
ここで評価される資質(コンピテンシー)は、【評価-新たなリスク】です。
ここでは、複数の課題解決策については、少なからず課題解決に至らない、或いは、もっと対応すべき残留リスクが内在するので、いかにリスク対応(発生確率×被害規模で、リスク対応方針が決まる)していく視点があるかということを示す必要がある。
次に、
・設問(4)業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べる。
ここで評価される資質(コンピテンシー)は、【技術者倫理-社会的認識】です。
ここでは、公益確保(公共の安全、環境の保全)を掲げて、技術提案や解決策を導く過程において、データ偽装、捏造や隠蔽などの行為にならないようにすることを明確に記載する必要があります。
最後に、
・その他、設問共通として、答案については、採点者に理解できるように書く必要があります。
ここで評価される資質(コンピテンシー)は、【コミュニケーション-的確表現】です。
(作成:2019年7月18日)