技術士受験に関するブログ

技術士受験に関するブログです。

総監(建設)論文の添削をしていて感じること(その1)

総監(建設)論文の添削をしていて感じること。

既に、技術士資格を持っていたり、同じ部門の複数科目を持っていたりする人達が多いので、記述自体はある程度いいと思います。しかし、ちょっと大胆さに欠ける、或いは、面白味がない(試験にそんなことは期待されていませんが)、というようなことを思いながら、添削をしています。

そんなことで、下記にポイントを書きました。

 

1.論文技術の内容・説明が丁寧だが、それに総監5管理視点入っていますか?

 まず、総じて、論文記述の内容・説明が丁寧なことに関心しています。

しかし、総監でいうところの5管理との対応が曖昧になっているように感じます。

このため、説明が丁寧で解り易く書き込めているのだが、ところで?、本当に総監5管理を理解して書いているのか?ということが心配になってしまいます。

多くのことを説明することで、総監5管理をイメージしてもらえているハズだという期待は持たない方が無難です。

 

 また、設問で問われていることに対して、直球で返した方が、作問委員(採点者)にとっては、評価ポイントが明確であり、評価しやすいと想定して思っています。よく書けているんだけど、どう評価していいか? と惑わすことはNGです。

 

 また、作問委員(採点者)は、多くの方の採点をしているので、ある程度の説明があれば、伝わる。このパターンできたかと、イメージできます。しかし、論文を読み進む内に、浮かんだイメージが総監の5管理の視点から外れている場合は、台無しになってしまいます。

 

2.技術部門のように技術内容を説明する視点になってませんか?

 大事なのは、技術部門のように技術内容を説明することではなく、総監の視点で論文を書いているかです。

この為、説明を簡単にして、総監5管理のウンチクを語ったような論文の方が、簡潔で解り易い論文になります。例え、技術は薄っぺらでも、そんなに悪い論文には見えません。

そんな意味で、この課題は、自分の持っている技術を駆使すれば、こんなに簡単にできますょ~というスタイルは、技術部門の論文であって、総監論文では、極めてダメな論文スタイルです。

自分の得意分野ではない技術部門の技術を適用した方が、得意でないので、詳しく書けないであろうし、どんなリスクが潜んでいるかさえ、想像でしかないので、ズバリ書けないと思う。しかし、こっちの論文スタイルの方が結果的に、総監5管理を前面に押し出した論文が書けると思います。

 

3.取り上げるネタには、一工夫。(白書ネタでは、イマイチ) 

 取り上げるネタは、担い手不足、人工知能、ドローンでもいいんですが、小惑星探査機「はやぶさ2」などのようなプロジェクトってどんなことしているの? やっているの? とか調べておいて、そんなネタをぶつけた方が、実際自分はやってないけど、こんな管理をこうすればよいというような例えには有効だと思います。

 

 ちなみに、はやぶさ2」では、「宇宙探査は、事前に答えが分からない。だから、答えを解けるチームではなく、問題をつくれるチームをつくることを目指した」(プロジェクトマネージャ 津田雄一氏)だそうです。

xtech.nikkei.com

 

4.業務効率向上が、総監の目的ではない。

  業務・プロジェクトで一番大事にする管理を達成するために、他の管理のレベルを調整して、全体的に、業務・プロジェクトの目的や成果物を達成すればいいだけです。

例え、目的や成果物が大幅(過剰)に良くなった場合でも、それには問題があります。

その度の過ぎた管理を反省して、丁度よい範囲内に収めてこそ管理です。

 

 5管理の視点で、全て全力投球するのではなくて、業務においてこれまで全く実施していなかった管理を追加するという理由で、これまで、もの凄く負担になっていた業務(管理)のレベルを下げてやれば、結果的に業務効率向上に働くことだってあると思います。

  

(作成:2020年5月23日)