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【総監】2020年度(令和2年度)テーマ「異常な自然現象の事前対策」

 新型コロナウィルス対応、東京オリンピック延期問題は、出題されませんでした。

 

1.問題 

令和2年度技術士第二次試験問題[総合技術監理部門]

必須科目

Ⅰ-2 次の問題について解答せよ。(指示された答案用紙の枚数にまとめること。)

 昨年、我が国は多くの自然災害に見舞われた。そこで、将来の自然災害によるリスクに対して、個々の事業場において事前にどのような対応策をとっておくことが有効か、総合技術監理の観点から考えてみたい。以下の(1)~(3)の問いにしたがい、次のような枠組で考察せよ。下線が引かれた用語の具体的な意味等については、問いの中で説明する。
 まずあたながこれまでに経験したことがある、あるいはよく知っている事業場を1つ取り上げ、その事業場に将来甚大な被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象を1つ選ぶ。その異常な自然現象により事業場にもたらされる可能性のある被害を3つ挙げ、それぞれに備えた事前の対策について、既にとられている対策の状況を述べ、さらに今後追加してとるとよいと思われる対策を1つ又は2つ挙げる。最後に、それらの追加対策の実施の優先順位を含めた実施計画について総合技術監理の視点から検討し、提案する。ここでいう総合技術監理の視点とは「業務全体を俯瞰し、経済性管理、安全管理、人的資源管理、情報管理、社会環境管理に関する総合的な分析、評価に基づいて、最適な企画、計画、実施、対策等を行う。」立場からの視点をいう。
 論文の記述に当たっては、被害や対策が事業場にとって特徴的で、かつその説明が専門分野外の人(例えば専門が異なる総合技術監理部門の技術士)にも分かりやすいものであるよう留意されたい。書かれた論文を評価する際、そのような工夫・配慮がなされているかどうかを含め、視点の広さ、記述の明確さと論理的なつながり、そして論文全体のまとまりを重視する。

 

(1)あなたがこれまで経験したことのある、あるいはよく知っている事業場を1つ選び、それについて次の①~③に沿って説明せよ。ここで「事業場」とは、工場、工事現場、農場、事務所、研究所、公共建築物等のように、1つの場所において事業が行われている場を指し、複数の区域にまたがるものは除くこととする。例えば、1つの工場、1つの支店店舗、などは事業場としてよいが、県内にあるすべての工場、複数の支店店舗、といったものは事業場とはみなさない。
問い(1)については、答案用紙1枚以内にまとめよ。)
①事業場の名称を記せ。
②その事業場で行われている事業の目的及び創出している成果物(製品、構造物、サービス、技術、政策等)を記せ。
③その事業場の概要を記せ。ここには問い(2)で記述する被害と対策の特徴を理解するのに必要な事項(例えば事業場の規模や特徴、現状など)を含めること。


(2)問い(1)で取り上げた事業場に対して、将来、甚大な被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象を1つ選び、それによる主要な被害やされらに備えた対策について、次の①、②に沿って示せ。ここでの「異常な自然現象」としては、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震津波、噴火、又は台風のようにそれらが複合したもの、とする。
感染症の流行は、ここでの異常な自然現象には含めない。
問い(2)については、答案用紙を替えた上で、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
①取り上げる異常な自然現象を記し、そこで想定している脅威の程度を示
、それによりもたらされることが予想される事業場の周辺地域における被害状況について記せ。
②この異常な自然現象により事業場が受ける可能性がある主要な被害を3つ挙げ、その内容を説明し、それぞれの被害の影響を軽減するための事前の備えとして、(ⅰ)既にとられている対策の現況を述べ、また(ⅱ)今後追加するとよいと思われる対策を、1つ又は2つ挙げよ。(ⅰ)では、対策は複数あってもよいし、また、対策がなされていなければその理由を記せ。また、(ⅱ)では、その対策の説明と効果についても記すこと。
 なおここで取り上げる「被害」には、事業場が直接被る物理的な被害のみならず
、より広く、事業場が受ける人的被害や業務上の被害を含んでもよいものとする。ただしそれに対する「対策」は、事業場が自主的に行うことができるものに限る。例えば大雨により近隣の河川が氾濫し工場の周辺道路が寸断され、サプライチェーンが途絶えるといったように、異常な自然現象によりインフラがダメージを受けその影響が工場の業務に大きな影響を及ぼすようなものを被害として取り上げてよい。ただし国などが行うべき道路や堤防の改修などは、ここでの工場の自主的対策には含めない。
 被害にはA、B、Cのラベルを順につける。そして例えば被害Aに対する対策の現況にはA0というラベルを付し、追加する対策にはA1、A2というラベルを付す。これらの被害と対策は次の書式にしたがって示すこと。

被害・対策の書式:
A:〇〇〇〇…(「停電」、「床上浸水による電気設備の故障」など、1番目の被害と
        その説明)
A0:〇〇〇〇…(被害Aの影響を軽減するために既にとられている対策の現況)
A1:〇〇〇〇…(被害Aの影響を軽減するための追加の対策1及びその効果の説明)
(A2:〇〇〇〇…(被害Aの影響を軽減するための追加の対策2及びその効果の説明)
B:〇〇〇〇…(2番目の被害とその説明)
B0:〇〇〇〇…(被害Bの影響を軽減するために既にとられている対策の現況)
 ・・・


(3)将来の被害の発生に備え、事前にとっておくべき対策の実施計画を立てるに当たっては、想定した被害の発生可能性に加えて、事業場を運営する主体における予算等のさまざまな制約を踏まえて検討する必要がある。問い(2)で、「追加するとよいと思われる対策」として挙げた対策の実施の優先順位を含めた実施計画について、総合技術監理の視点から検討し、提案せよ。また、そのような優先順位とした理由も述べること。なお解答の中で被害や対策を引用するときは「A」や「A1」というラベルのみを示せばよく、「被害A:〇〇〇」や「対策A1:〇〇〇」などと詳しく引用する必要はない。(問い(3)については、答案用紙を替えた上で、答案用紙1枚以内にまとめよ。)

 

2.答案の組み立て(例)

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(作成日:2020年9月21日、最終更新日:2020年10月11日)