技術士受験に関するブログ

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総監2019の勉強法

1.現状把握

 総監の合格率は、H30(2018)年度に過去最低の6.6%になった。

 記述式問題がタイムリーな「働き方改革」話題であったので、びっくりするような難問ではなかったと判断する。よって、記述式問題では、6割に達している人が多かったと想定する。

では、過去最低の6.6%になった背景は、午前中の択一式問題が40問中、青本からの出題数が15問にとどまり、比率37.5%であったことが(択一問題が難化した)ことが影響していると考えられる。

この為、「青本」を見たり、聴いたり、書いたりする勉強方法では、合格基準の目安の6割(※正しくは、択一式問題+記述式問題の合計得点で6割以上であるが)を超えられない。そして、「青本」+αの勉強法を実践した人が合格したものと考える。

 

2.作問委員(問題を作成する人、または、口頭試験の試験官)の立場で考えてみると

 総監は、国際的にみて同等な資格はない。文部科学省が作ったものであり、「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」(通称「青本」)がその資格の基準であって、他には無いのである。

しかし、青本(第2版)が2004年に出版されて以来更新はされず、2017年2月に絶版にされた。それから12年も経過しているので、技術的なキーワードが陳腐化するのは当然であって、最新のトレンドを無視して、「青本」に固執していけないことは容易に考えられる。

しかしながら、技術体系が陳腐化状態のままでは、資格の基準を明確に示すことはできず不都合が生じる(このことは、「青本」からの出題率として評価されたりする)。

このような背景(概念と技術体系を示すため)から、キーワード集2019が公表された。但し、 次のように文部科学省のホームページで、「試験範囲を示すものではない」と留意するように書いてあります。

 

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出典:総合技術監理部門の技術体系(キーワード)について:文部科学省

 

 

しかし、文部科学省技術士 試験部会の議事録には、次のように「はい。来年度から使います。」と記載されています。よって、従来は「青本」からの出題数は何問だったということが、最新年度版の「キーワード集」からの出題数は何問だったといった言われ方に変化していくもとの思います。 

 

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出典:試験部会(第28回) 議事録:文部科学省

 

 このように、総監の概念と技術体系を示すために作成されたキーワード集2019から択一問題を作問することが容易に解ります。

しかし、複数のキーワードを同時に問う問題や白書などの統計データ、法制度に絡ませて問題を作成する方法で難易度を変えることは可能だと思う。よって、1つのキーワードを覚えるような勉強法では、得点できないと考えた方がよく、関連するキーワードを相互に覚えるような勉強法をすることをおすすめします。

 

3.公表されている合格判定基準

 総監の合格判定基準は、択一式問題+記述式問題の合計得点で6割以上である。

よって、択一問題で高得点(例えば、満点100%)をとれば、その分、記述式問題は悪くても合格することが計算的にはできる。しかし、何故か現実的には、そうなっていないことが想定される。

それは、記述式問題も最低6割程度の得点をしていないと、口頭試験時に厳しい試問をされて、結果、口頭試験で不合格となるケースもあるようである。または、記述式問題で自己採点で6割程度書けたと思っていても、そのような場合、実際は、(メリハリを付けた評価・採点基準が採用されているのかもしれない?)4割程度の評価にされてしまっているのかもしれない。

よって、記述式問題の対応を疎かにしてはいけないということを最後に記しておきます。

 

 

(作成:2019年4月29日)