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H31(来年度)技術士二次試験(択一廃止)によるAM筆記試験を予想する

(あくまでも個人的見解ですが、)H31(来年度)技術士二次試験(択一廃止)によるAM筆記試験を予想してみます。

 

これまで(H30[2018]年度)は、20設問から15問を選択して解答する択一問題(マークシート方式)でしたが、これがH31(来年度)から廃止されます。
技術部門(建設部門 等)の部門全体に共通な問題で筆記試験となります。

そして、試験内容としては、「技術部門全体に渡る専門知識、応用能力、問題解決能力及び、課題遂行能力」を問題とされています。

 詳しくは、下記、ホームページで原文で確認してください。

www.engineer.or.jp

 

1.平成21年度から平成24年度の4年間実施されてきた方式になると推定します。

(1)記述式1問、解答用紙枚数 3枚(600字詰め解答用紙×3枚)

(2)試験時間は、2時間。

  試験時間については、平成21年度から平成24年度までは、10時~12時30分の2時間30分間で実施されていたものが、30分間短くなります。

 

2.平成21年度から平成24年度の問題は、どんなものが出題されていたか。

日本技術士会のホームページに公開されているので、過去問を見てみてください。

過去問題(第二次試験)|公益社団法人 日本技術士会

 

3.試験問題の一部を抜粋してみます。

 平成21年度
Ⅱ 次の2問題(Ⅱ-1、Ⅱ-2)から1問題を選んで解答せよ。
(回答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)


【電気電子部門】
Ⅱ-1 低炭素社会に向けた取り組みとして、電気電子分野における主要な課題を挙げ、それらの課題を解決する技術の開発・導入の現状と今後の展望について、論理的に述べよ。

Ⅱ-2 地震などによる大規模な自然災害を想定し、被害を最小限とするための取り組みとして、電気電子分野における主要な課題を挙げ、それらの課題を解決する技術の開発・導入の現状と今後の展望について、論理的に述べよ。


【建設部門】
Ⅱ-1 地球温暖化を緩和するための低炭素社会について、以下の問いに解答せよ。
(1)低炭素社会の実現に向け貢献できると考えられる社会資本整備の取り組みを3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
(2)前項で述べた取り組みの1つを取り上げ、その推進にあたっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

Ⅱ-2 建設部門においては、解析・設計から管理に至るまでのコンピュータの導入と併せ、技術の高度化・細分化が進展しており、計算結果の妥当性を総合的に判断することが困難となってきている。
 このような状況を踏まえ、技術者として解析・設計や数値シミュレーション等の成果の合理性を総合的に判断できる技術力を維持するための課題と、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。


平成24年度

【建設部門】
Ⅱ-1 東日本大震災を契機として、あらためて防災・減災対策のあり方が議論されている。建設部門に携わる技術者として、我が国の防災・減災に向けた社会基盤の整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。
また、それらの課題に対し、防災・減災に向けた今後の社会基盤の整備を具体的にどのように進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。

Ⅱ-2 地球環境問題への対応として、(1)低炭素社会の実現、(2)自然共生社会の実現・生物多様性保全、(3)循環型社会の形成が求められている。
我が国の最近の社会情勢の変化も踏まえ、地球環境問題に対し、建設分野として取り組むべき課題を上記3つの視点からそれぞれ挙げ、その内容を説明せよ。
また、前記のそれぞれの課題に対して、解決に向けたあなたの意見を述べよ。

 

4.問題の傾向

(1)平成23年3月11日発生の東日本大震災が翌年度に出題されていますので、ホットな話題も出題されるということです。

(2)また、平成19年12月に「低炭素社会」というキーワードが複数部門間で出題されているので、政府方針や白書を確認しておく必要があります。

 <平成20年版環境・循環型社会白書>
 国際社会は、 京都議定書第一約束期間後の2013年以降の地球 温暖化対策に関する合意が2009年の締約国会議 で得られるよう作業を進めることに合意しました。バリ行動計画は、特に重要な意義を持っています。

 

5.出題予想

(1)出題されやすいと想定する分野

 ・働き方改革
 ・少子高齢化
 ・持続可能な開発目標(SDGs)

 ・自然災害や異常気象

 

 これらについて、技術部門の技術者として相応しい課題設定と解決策の意見を記載するというような問題になると思います。

 

(2)多分出題されない分野

・品質データ改ざんなどのコンプライアンス問題。技術者倫理。→口頭試験評価。

・コミュニケーション能力。→筆記試験で文章表現できることで代えるかも、または、口頭試験で評価。

 

6.勉強方法

(1)インプット

 午後の選択問題、選択科目と基本は同じですが、自分の技術部門で、話題になっている技術事項キーワード、過去に出題された頻出キーワードを収集する。

そして、原理、複数方式の比較(図表を書けるようにしておく)、問題点、応用例などを調べて覚えること。

専門分野といっても、現在やっているのは、一般的には地道な誰でもやっていることをやっているこが多いと思われますし、専門性が尖がった人の場合は、技術全般に通用するような知識が無い(不足している)のが普通です。ですから、勉強は必要です。

技術ノート方式は、お薦めしません。ノートを作るのに注力するのではなくて、覚えることに注力した方がいいです。ですから、カラープリンターで印刷したものをストックしておいて、それを技術ノートと呼ぶことにして、それを覚えて、大事なところを印、マークを付けておくような方式をお薦めします。

 

(2)アウトプット(その1)

 日頃から日記などで手書き文章を書くことを習慣として、パソコン文章作成以外でもやっておくことをお薦めします。

この目的は、パソコンの場合、知らない漢字でも日本語変換の力を借りて入力できたりしますが、手書きの場合では、書けない漢字を「ひらがな」や「カタカナ」にするのは少々恥ずかしいものです(どんな漢字だったかな?と考えることに時間がかかったりします)。

また、日頃から手書きしていると、(不思議にも)文章を途中修正しながら、原稿用紙の最終行まで書き進むことができるようになります。そして、最終行に「・・・・・。-以上-」で、書き切ることができるようになります。

よく原稿用紙の最終用紙(3枚であれば、3枚目)の7割以上書くことが望ましいというようなことが言われていますが、「あーだ、こーだ」とつないでいくと、最終行近くまで延長して書けるようになります(同じ内容であれば、省略しないで、物量で評価してもらう手法をとる)。

 

(3)アウトプット(その2)

 設問は色々と想定されますが、その分ネタを準備しておく必要があるかと言えば、そうではありません。どんな設問がきても、内容は自分の専門分野の内容を記述する方針とすることも可能と思います。